FM東京

 
〈FM東京〉に生出演するために、早朝5時に起床して、浜松発6時55分の〈ひかり〉に乗車する。東京駅への到着は8時16分―。丸の内側のタクシーに飛び乗り、〈8:30〉からの打ち合わせに間に合うように行かなければならない。至難の業だ。麹町にあるFM東京までの最短ルートをタクシー運転手に指示して到着したものの早朝用の入口がわからない。やっとの思いで〈8:37〉頃に到着する。生番組だけに、慣れない私などには冷や汗モノだった。
 簡単な打ち合わせを済ませると、即、本番に突入する。私の出番は9時30分からだ。マイクを挟んで音楽プロデューサーの〈ひのきしんじ〉さんと元女優の〈本間千代子〉さんと対面しつつ、少年犯罪を軸に親子論などを語り合った。リクエストは〈井上陽水〉の『ワカンナイ』という私にとっては非常に思い出深い曲…。何を書いても本にならない頃に、「君の言葉は誰にもワカンナイ、君の静かな願いもワカンナイ……」というフレーズが当時の私の心にグサリと突き刺さったものだ。
 限られた時間の中では語り尽くすことができず、10分の居残り出演となった。プロフェッショナルのトークはすばらしく、話の方向性を示しながら、ゲストの作品に対する思いや創作に対する姿勢などを上手く引き出すのだ。慣れない
早起きのためか、今ひとつ調子が乗らなかったが、寡黙な人間が多い物書きの中にあって何とか責任を果たせたのではないか…と自らを納得させている。