−静岡新聞2002年10月19日付−

   −掲載内容−
〈東京電力のトラブル隠しや中部電力浜岡原子力発電所の未報告問題など原発をめぐる問題がクローズアップされる中、県西部を舞台に企業の?隠ぺい体質?が原因で巻き起こる事件を描いた地元作家・渥美饒兒さん(四九)=浜名郡雄踏町宇布見=のミステリー「ジャパン・シンドローム」(作品社)が注目を集めている。ジャパン・シンドロームは御前崎にある架空の原発で起きた放射能漏れ事故を軸に、原発建設に絡む産官の癒着や新興宗教問題、汚職―など現代のさまざまな病理を描いた社会派ミステリー。すべてを隠ぺいするために故意に起こされた東名高速三ケ日インター付近での多重事故に始まり、最後は日本の既存構造を根底から覆すような事件の全容解明に至る。昨年一月に全国発売された。渥美さんは一九八四年に第二十一回文藝賞を受賞した。渥美さんは「人間だから事故は起こるが、原発は修正がきかない。それなのに、唯一の被爆国の日本だけが原発の道をひた走り、物書きとして避けて通れないテーマだと思っていた」と話している。〉

書店に並ぶ「ジャパン・シンドローム」

静岡新聞 平成14年10月19日付朝刊 県内版掲載』より