| −掲載内容−
《BOOK プロムナード》
久間十義の面白本箱
最初の1冊は渥美饒兒「十七歳、悪の履歴書」(作品社)1988年に起こった、女子高生コンクリート詰め殺人事件を扱ったものだ。「ノンフィクション・ノベル」と銘打たれているが、あまりにもショッキングで、以後、突如として増えはじめた少年犯罪の象徴的といえる事件が、犯人である少年の内面描写を通して明かされていく。
事件はバイトの帰りの女子高生を少年たちが暴行。そのまま犯人たちの1人の家に誘拐、監禁し、41日間にわたって暴行の限りを尽くした末に惨殺。死体をドラム缶にコンクリート詰めし、埋立地に放置するという経過をたどった。
この間、監禁されていた家では、少年の両親が少女の存在を知りつつ、息子の暴力を恐れて介入できない事態が生じた。ここで家族は機能していなかったのだ。
「楽しかった」「面白かった」「何も考えていなかった」……。裁判長をして「仮面をかぶった鬼畜」と言わしめた4人の少年の供述は、聞くだにあぜんとす
る。「十七歳、悪の履歴書」は、その少年たちの意識や行動、彼らをつくり上げた?崩壊した家族?の現実を、抑制の効いた文体でねばり強くつづる。「少年たちは、突然にこの凶行を行なったのではない」という著者の言葉は重たい。
渥美饒兒
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